応募が来る求人票・来ない求人票 — 9/5前の見直しポイント
目次
はじめに
7月1日から学校への求人提出・学校訪問が始まり、ひと息ついているところかもしれません。県内企業の採用ご担当者とお話ししていると、この時期は「求人票は出した。あとは学校からの連絡を待つだけ」という状態になっている、という声をよくうかがいます。
先に結論をお伝えします。提出した高卒求人票は、あとから気軽に書き直せる書類ではありません。内容を変える場合は、管轄のハローワークへの連絡と所定の手続きが必要です。そのうえで、9月5日の応募開始までにできることは、次の3つに整理できます。
-
条件を実際に変える必要があるなら、正規の手続きで早めに動く
-
求人票が高校生・保護者に「届く状態」になっているかを確認する
-
求人票では書ききれないことを、求人票の外側で補う
なお、高卒採用の応募は学校推薦を経て決まり、職種・勤務地・校内での選考など多くの要因が関わります。
以下は「これをやれば応募が来る」というものではなく、応募を検討する生徒と保護者が判断しやすい状態を整えるための確認事項としてお読みください。
背景: 求人票を出してから応募までの2か月
令和9年3月卒(2027年3月卒)の日程は、厚生労働省が公表しています。
-
6月1日 ハローワークによる求人申込書の受付開始
-
7月1日 企業による学校への求人申込および学校訪問開始
-
9月5日 学校から企業への応募書類の提出開始
-
9月16日 企業による選考開始および採用内定開始
6月1日以降に申し込んだ高卒求人は、ハローワークで内容の確認を受けたうえで、7月1日以降に求人票が発行・返戻されます。つまり今は、生徒が求人票を見比べ、三者面談や校内での相談を経て応募先を絞り込んでいく期間にあたります。求人票を出したあとの2か月は「待つ時間」ではなく、生徒と保護者が会社を調べている時間だと考えておくとよいでしょう。
見直し1: 直す必要があるなら、手続きで直す
まず押さえておきたいのが、受理された高卒求人は事業所マイページから求人情報を変更できないという点です。内容の変更を希望する場合は、管轄のハローワークに連絡し、案内された書類を提出する必要があります。
やむを得ない事情で労働条件を変更する場合の流れは、次のように分けて考えてください。
-
ハローワークに変更を届け出て、確認を受ける
-
指定校求人などで学校へ直接求人票を提出している場合は、学校へ速やかに連絡する
-
応募を検討している生徒・保護者にも、学校を通じて変更内容が明確に伝わるようにする
手続きが必要ということは、思い立ってすぐには直せないということでもあります。8月後半は校内で応募先を絞り込む時期と重なります。直すべき点に心当たりがあるなら、動くのは早いほうがよいでしょう。
見直し2: 高校生・保護者に「届く状態」になっているか
高卒求人の申込みには「公開希望」の欄があり、ここで「可」を選択した求人は「高卒就職情報WEB提供サービス」(厚生労働省)に掲載されます。掲載されるのは求人情報だけではありません。会社の特長・事業内容・社会保険・福利厚生制度といった事業所情報も対象で、掲載期間は翌年6月までです。
このサービスは誰でも自由に見られる一般公開サイトではなく、ログインに利用者ID・パスワードが必要です。これまでは高校の就職担当の先生が利用する仕組みでしたが、令和8年度(令和9年3月卒)の就職活動からは、高校が生徒本人にもID・パスワードを付与する運用に変わりました。生徒は自宅などから自分で求人を検索でき、保護者と一緒に画面を見ながら相談することも想定されています。
つまり今年から、事業所情報の書きぶりが、生徒と保護者に直接読まれる可能性が高まっています。次の点を確認しておきましょう。
-
「公開希望」を「可」にしているか(「不可」の場合、このサービスには掲載されません。指定校求人などで学校へ直接求人票を提出する分とは別の扱いです)
-
事業所情報の欄が、ほとんど埋まっていない状態になっていないか
-
会社の特長として書いた内容が、社内でしか通じない言葉になっていないか
掲載は翌年6月まで続くため、今年の採用が終わったあとも見られ続けることになります。なお、生徒が求人を閲覧できるようになっても、応募や選考に関する連絡は学校を通じて行われる点は変わりません。ID付与の時期や運用は学校によって異なる場合があるため、詳しくは求人票を提出した高校や管轄のハローワークにご確認ください。
見直し3: 求人票の外側を整える
求人票は様式が決まっており、書ける分量にも限りがあります。生徒や保護者が「もう少し知りたい」と思ったときに次に見る場所を用意しておくと、求人票だけでは伝えきれない部分を補えます。
-
自社サイトの採用ページ: 何年度の情報かが分かる表示になっているか。数年前のまま更新が止まっていないか
-
職場見学の案内文: 当日どの職場を見て、誰と話せるのかが事前に分かるか
-
会社案内・説明資料: 入社直後に担当する業務と、研修の進み方が具体的に書かれているか
いずれも、求人票の記載と食い違わないことが前提です。求人票では条件を正確に、外側の資料では働く姿を具体的に、と役割を分けて考えると整理しやすくなります。
9/5前チェックリスト
・求人票の記載内容に、実態と食い違っている箇所がないか読み直した
・変更が必要な箇所があれば、管轄のハローワークに連絡した
・指定校求人などで学校に直接提出している場合、学校への連絡方法を確認した
・「公開希望」欄が「可」になっているか確認した
・高卒就職情報WEB提供サービス上の事業所情報(会社の特長・事業内容・社会保険・福利厚生)を確認した
・自社サイトの採用ページに年度が分かる表示があり、内容が最新になっている
・職場見学の案内文に、見る場所と話す相手が書かれている
・会社案内・説明資料に、入社直後の仕事と研修の進み方が具体的に書かれている
よくある質問
Q. 提出した高卒求人票の内容は、あとから変更できますか?
A. 変更自体は可能ですが、受理された高卒求人は事業所マイページからは変更できません。管轄のハローワークに連絡し、案内された書類を提出する必要があります。労働条件を変更する場合はハローワークへ届け出て確認を受け、学校へ直接求人票を提出している場合は学校への連絡もあわせて必要です。
Q. 高卒求人票は、いつから高校生が見られるようになりますか?
A. 制度上は、ハローワークの確認を経た高卒求人票が7月1日以降に発行・返戻され、「公開希望」欄で「可」を選択した求人は「高卒就職情報WEB提供サービス」でも公開開始となります。同サービスは誰でも見られる一般公開サイトではなく、令和8年度(令和9年3月卒)の就職活動からは高校から付与されたID・パスワードで生徒本人が閲覧できます。ただし、生徒への提示時期やID・パスワードの付与時期は学校の運用によって異なります。