採用のお役立ちサイト「かがわ採用ナビ」

令和7年3月新規学校卒業者の求人・求職・就職内定状況

採用トレンド

media

~高卒・大卒ともに高水準の内定率を維持~

2025年春に卒業を迎えた香川県内の新規学校卒業者に対する就職状況が、香川労働局より発表されました。全体としては、高卒・大卒ともに高い内定率を記録しており、県内企業の採用意欲の強さがうかがえます。

高校新卒者:求人倍率は過去最高レベルの水準に

高校卒業予定者の内定率は【97.0%】と依然として高い水準を維持しているものの、前年同月比では0.6ポイント低下しました。内定者数は1,049人、求職者数は1,082人と、いずれも前年より減少しましたが、求人数は4,612人(前年より0.7%増)と伸び、求人倍率は【4.26倍】と過去30年で最も高い水準に達しています。これは、若年層の人手不足感が強まるなかで、地元企業の積極的な採用活動が続いていることを示しており、特に製造業やサービス業など現場人材を求める業種でのニーズが顕著です。

大学新卒者:求人倍率は78倍超、全国的傾向とも一致

大学卒業予定者についても、内定率は【92.0%】と前年より1.8ポイント上昇し、堅調な就職活動結果となりました。内定者数は1.074人で、求職者数は1,167人。県内求人は2,983人分にとどまるものの、県外を含む総求人数は91,925人と大幅に上回っており、求人倍率は実に【78.77倍】に達しました。特筆すべきは、県外求人の伸びであり、四国圏外からの積極的な新卒採用の動きが背景にあると考えられます。中でもIT、建設、福祉、流通といった分野での求人が目立っており、県内学生の首都圏志向も引き続き強いことがうかがえます。

採用市場で“選ばれる企業”になるために

~求人倍率が高まる今、企業側に求められる視点とは~

香川県内の新規卒業者に対する求人倍率は、特に高校新卒者で4.26倍と企業間の人材獲得競争が年々激化しています。これは裏を返せば、「求職者が企業を選ぶ時代」が到来していることを意味します。このような採用環境の中で、企業が“選ばれる存在”になるには、以下のような戦略的アプローチが不可欠です。

 

企業の魅力を伝える情報発信力を高める

今の若年層は、給与や福利厚生だけでなく、「働きがい」「人間関係」「職場環境」などソフトな要素を重視します。自社の雰囲気や社員の声、やりがいのある仕事を具体的に伝える動画やSNS発信、採用サイトの整備は必須です。

“等身大”のリアルな職場体験を設ける

インターンシップや職場見学、社員との座談会など、ミスマッチを防ぐリアルな接点づくりが大切です。「入社後のイメージが湧いた」と思ってもらえることが、内定辞退を防ぐカギとなります。

地域に根ざした魅力の訴求

県外志向が根強い中で、あらためて「香川で働くことの魅力」を語ることも重要です。地域貢献性、暮らしやすさ、仕事とプライベートのバランスなど、Uターン・Iターン希望者にも響くポイントを明確に伝えましょう。

若手社員の声を活用する

同世代の先輩がどのように働いているかを知ることで、求職者の安心感は高まります。若手社員のインタビューや一日のスケジュールを紹介するなど、等身大の姿を見せる工夫が効果的です。

まとめ

求人倍率が上がるということは、それだけ「企業の見せ方」が問われる時代になったということ。単に“求人を出す”のではなく、“企業の魅力を伝え、信頼を得て、選ばれる存在になる”という意識が、今後の採用成功の鍵となるでしょう。採用は「広報」であり「ブランディング」であり、未来をつくる第一歩です。地域の企業が持続的に発展するためにも、変化する若者の価値観に寄り添いながら、魅力ある職場づくりと発信に努めていくことが求められています。

関連記事