採用後、最初にやるべきこと
採用は「入社してくれた!よかった!」では終わりません。そこからいかに戦力として育てるか? スタートダッシュが重要です!
1)即戦力の新入社員などいない
無事に新入社員を迎え入れることができたとします。
さあ、次はどうしますか?
「採用した新入社員は優秀だから、そのうち戦力になる」
そんな悠長な考え方で大丈夫でしょうか?
厚生労働省「卒業新規高卒就職者の3年以内離職率(2022年版)」
高校を卒業して就職した人の離職率は36.9%とあいかわらず高く、採用後の定着がいかに難題であるかが数値にも出ています。
せっかく縁あって入社した人材です。組織の一員として長く活躍してくれる「戦力」になってもらうには、まず何をしたらいいでしょうか?
2)辞める理由は時代で変化している
最初に退職理由について見ていきましょう。
実のところ、入社3年目までの離職率が高いのは今に始まったことではありません。
高度経済成長の時代も、バブルの時代も、新入社員の早期退職は「3日、3か月、3年(で辞める)」と言われていたほどごく普通のことでした。
ところが、「どうして辞めるのか?」となると話は変わってきます。
かつて(2000年頃まで)の離職理由は、「もっと給料が欲しい」「ボーナスがもの足りない」など、物質的・金銭的な充足を求めての人が多数でした。
やがて、社会がバブルの崩壊を経験すると、世の中は一気に安定志向になります。
独立してチャレンジするよりも、会社員として安定した生活が優先されるようになりました。
まさに「サラリーマンは安定した仕事」と言われていた時代です。
組織内の自分の存在意義が感じられなくても、会社の指示通りに働いていれば給料をもらえ、年数を減ると地位も上がって昇給する、やがては自動車だ!マイホームだ!と夢を広げることが、まだできた時代だったからです。
しかし現代の若い世代は…
【若い世代の退職理由トップ3】(信用調査会社の資料をもとに作成)
お金よりも、自分自身の心の満足感、未来への飛躍の可能性を求めて退職する傾向が強いということがわかります。
確かに今の若い方の中で、マイカーやマイホームにこだわりを見せる人がどれだけいるでしょうか?
最低限のものしか所有しないミニマルな暮らしがトレンドになるほどです。
また、SNSに慣れ親しんだデジタルネイティブ世代は、リアルな接触がなくてもいつでも誰かと繋がれます。
もっと言えば、繋がりたい人とだけ繋がることができのです。
会社組織の狭くてややこしい人間関係を嫌悪する感覚も十分に理解できます。
さらに新入社員は「志」を持って入社してきますが、それが大きければ大きいほど、いざ現実を知って落差に衝撃を受ける「リアリティショック」も大きくなります。それをいかにおさえるか。そこが勝負なのです。
3)業務教育を行う前に やるべき2つのこと
現在は、新入社員を戦力まで育て上げるための施策として三段階のステップが推奨されていますが、問題はその順番です。
仕事をおぼえてもらう「教育」の前に、まずは「定着」してもらうための施策を先に行うのです。その内容は2つ。
①「どんな仕事を行うのか」を知る
実際の仕事の現場に同行させる(OJT)、ビデをを活用する、各部署の担当者が講師となってオリエンテーションを行う…など手法は様々です。狙いは「興味を持って内容を理解してもらう」ことにありますから、決して仕事の手順を紹介するだけの勉強会ではなく、仕事の価値や素晴らしさを紹介するプレゼンテーション的に行いましょう。
②「入社後の人間関係」を知る
最もデリケートな部分ですが、同じ職場で働くことに違いないわけですから、過度な気遣いやその場だけの非リアルな応対は逆効果です。
たがいにざっくばらんに接し、率直な意見を交わせる場を設けましょう。
気楽に会話ができる場(ランチミーティング、飲み会)もアリです。
たとえそこで埋め合わせられない齟齬が見えたとしても、「早い段階で”合わない”とわかっただけでもヨシとしよう」ぐらいの心構えで臨みましょう。
この2つを繰り返し丁寧に行うことで、離職率の低下を防ぐことにつながります。
4)社内に向けた周知も重要
新入社員に対する「定着」施策と同時に、社内向けのアクションも必要です。
それは「新しく入社した社員たちの情報を先輩社員にしっかりと伝える」ということです。
例えば「出身校」「スポーツや文化活動の経験」「趣味」などなんでも構いません。
それを聞いた上司や先輩、「自分の後輩だ」「私と同じ趣味だ」と親近感を持ってくれればしめたものです。
ふとしたきっかけで声をかけたり、趣味の行事に誘ったり、コミュニケーションの中で志望動機や将来の夢などについての会話が生まれるかもしれません。
「新入社員については、内定式や入社式で社員に紹介したら事足りるだろう」と思われるしれませんが、
一般的に先輩や上司は(仕事にも追われているわけですから)そんないきなり知らされただけの情報が頭に残るはずがありません。
少々しつこいぐらいに新入社員ちに関する情報を届け続けることをオススメします。
新入社員と先輩社員がお互いをしっかりと知って、理解することで、
リアリティショックをおだやかにし、ひいては早期退職防止に繋がっていきます。
5)まとめ
いかがだったでしょうか?
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